ライターの丸山です。

 「海で遊ぶ」、というと夏のイメージがありますが、春の波が穏やかな海や秋の入道雲が映える高い空、日本海ならではの美しい夕日と、実は季節ごとに海の楽しみは尽きません。そんな海を眺めながらゆっくりランチやお茶を楽しむひとときを日常に...今日はそんな豊かな過ごし方をかなえてくれるカフェにお邪魔しました。

 お食事は無添加で自家栽培の野菜たっぷり。しかもフリードリンクにお座敷席もありということで、訪れたらきっと時間があっという間に過ぎてしまうこと、間違いなしです。

※この記事は最終更新日から1年以上経過しています。最新情報は店舗へ確認してください。

目の前が海! 波の音をBGMに体に優しいランチタイム

 ここは新潟市西区・小針浜。海の家に併設しているカフェ「海カフェ nef(ネフ)」にお邪魔したのは夏の終わりの昼下がり。静かな潮騒に包まれながら、数組の女性のお客様がおしゃべりを楽しんでいました。

 テーブルにはオーナーの自宅で採れた野菜がゴロゴロ入ったランチメニュー。ネフではナスやキュウリ、トマトにニンニク、玉ねぎなど、自宅や地元で育てられた野菜を中心に、添加物を使わないメニューを提供しています。甘みを付ける際も白砂糖も使わずにてんさい糖を使うなど、その心配りはとても細やか。

 店内は開放感があふれ、気軽に海に出られる1階はテーブル席、そして2階は座敷になっており、階段には柵も完備されているので、小さい子どもが歩き回っても安心です。もちろん窓からは伸びやかに広がる海と空をたっぷりと楽しむことができます。

 海を眺めながら体に優しいメニューと、子どもも一緒に安心して過ごすことができる空間は、ママにとって家を離れて一息つける、居心地抜群のスポットになりそうです。

日本海に臨む新潟市西区の小針浜に建つ「海カフェ nef(ネフ)」
2階の座敷席。晴れた日は佐渡島が見えることも

おいしさも安心も二重丸のキッズメニュー

 そんなネフには、キッズメニューが2種類用意されています。

 この日のメニューは「トマトクリームパスタ」と「豆乳キーマカレー」(どちらも700円)。フリードリンク付きで、さらにデザートかりんごジュースをつけることができます(フリードリンクのみは100円になります)。もちろん材料はネフこだわりの野菜や調味料をふんだんに。

 今後グラタンも登場予定とのことで、ますますお子様も遊びに来る楽しみがアップしますね!

パスタはお店で作る手打ちのフィットチーネ
吹き抜けで開放感たっぷり! エントランスには絵本や雑貨も

相盛りカレーと10種類以上のフリードリンクでまったり

 大人向けメニューは、「カレー」「手打ちのパスタ」「リゾット」の3種類(すべて1300円)。

 一番人気のカレーは2種類のカレーを味わえる、うれしい相盛りスタイル。

 素揚げした野菜がゴロゴロと入った「野菜のカレー」と、岩室の健康ポークとご主人が作った大豆入りの「キーマカレー」が、小豆入りの酵素玄米の上にたっぷりとかかっています。

 ネフはランチについてくる自家製のお茶を中心としたフリードリンクの充実度も見逃せません。この日はホットとアイス合わせて16種類もありました!

 「お客さんに普段の生活から少し離れてホッとしてもらいたくて、お茶もいろいろな種類があれば何杯か飲んでのんびりしていただけるかなと思って用意しています」と、チャーミングに笑いながら教えてくれたのはオーナーの嘉向(かむき)京子さん(60歳)。

 水出しのアイスティーやルイボスティー、ホット用の茶葉もグリーンマテ茶やおいしい野草ブレンド茶などいろいろ飲みたくなるラインナップは、ネフに来る楽しみの一つです。

酵素玄米のプチプチの食感がクセになりそうな特製カレー
バリエーション豊富なドリンクは、目移り必至!

アトピーの食事療法から、楽しく食べられる"ほどほど"へ

 もともと海の家を営んでいた嘉向さん。海を身近に感じる中で「夏が終わると海から人がいなくなってしまうのですが、空が高くなったり、夕日がきれいだったり、海は夏以外の時間も本当に素敵なんです。だから春とか秋もここで人がのんびりと海を見られたらいいな、と思って海の家の半分をカフェにしたんです」とのこと。

 そんな思いからネフを始めたのが2004年。現在は4月から11月まで営業しています。ふらっと海に散歩しに行ったり、混んでなければ2階で昼寝したり...そんなのんびりとした使い方もOKです。

 ネフの料理や食材へのこだわりには、家族の食事にルーツがありました。

 「私自身3人の男の子を育ててきましたが、2番目の子にアトピーがあり、家族の食事から見直したことがきっかけです。それでお店でもちゃんとした食事を出したいという思いがあって、添加物を使わずに、主人が作った野菜や山に摘みに行ったよもぎと三年番茶をブレンドしてお出ししたり、楽しみながらやっています(笑)」

 かつてはストイックに健康的な食事作りに励んでいた嘉向さんですが、ある時「楽しく食べないと意味がない」と気づき、そこからは"ほどほど"にがんばっているそう。

 そんな程よいゆるさが、この居心地の良さに通じていると感じました。

気さくな嘉向さんの人柄が、まさにネフの心地よさの源泉
カレーに入っている枝豆も嘉向家の畑で採れたものでした

<取材を終えて>

思わず「もうちょっと...」と長居したくなるネフらしさ

 飲食スペース以外にも、新潟のハンドメイド作家の雑貨販売コーナーがあったり、絵本もあったり、さらにはお客さんが上映会やコンサートを行うこともあるネフ。

 ネフはただ「飲食店」という概念にはくくれない、大人も子どもも楽しく自分らしい時間を過ごせる総合的な空間だと感じました。

 年1回、雑貨販売や占いコーナーなど、毎年24~25店舗ほど出店する「ネフマルシェ」もあるそうです(2019年は10月20日に開催)。こちらもお話を伺うととっても賑やかで楽しそう!

 親子で過ごす日常に「ネフの時間」をプラスしてみてはいかがですか? 海がある新潟らしい子育てライフをきっと楽しめると思います。

お客様発案のイベントも大歓迎とのこと

SHOP INFO
海カフェ nef
住所:新潟県新潟市西区青山海岸 小針浜
TEL:025-201-4011
営業時間:平日11:30~17:00、土曜11:30~日没まで
定休日:日曜・月曜(4月~11月)
駐車場:あり

丸山智子
ライター

東京でコピーライターとして勤務したのち、5年前にUターンと同時にフリーランスのライターとして独立。イベント広報や雑誌・WEBマガジンなどで執筆している、超甘党&舞台好きの39歳。プライベートでは新潟と東京で生ハムの原木を持ってピクニックをしています。

写真撮影:内藤雅子